研究
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研究テーマ
地球電磁気学的手法による地震・火山の研究
地殻内流体の存在の調査−比抵抗構造探査−
地震・火山活動において地殻内流体の役割が重視されています。地殻内のどこに流体(水)が存在するのかを比抵抗探査により明らかにしています。比抵抗は水の存在により桁で変化する物理量です。
- S.Yamaguchi, M Uyeshima, H Murakami, S Sutoh, D Tanigawa, T Ogawa, N Oshiman, R Yoshimura, K Aizawa, I Shiozaki, and T Kasaya,
Improvement of the Network-MT method and its first application in imaging the deep conductivity structure beneath the Kii Peninsula, southwestern Japan,
Earth,Planets and Space, Vol. 61, 957-971, 2009. - R.Yoshimura,N.Oshima,M.Uyeshima,H.Toh,T.Uto,H.Kanezaki,Y.Mochida,K.Aizawa,Y.Ogawa,T.Nishitani,S.Sakanaka,M.Mishina,H.Satoh,T.Goto,T.Kasaya,S.Yamaguchi,H.Murakami,T.Mogi,Y.Yamaya,M.Harada,I.Shiozaki,Y.Honkura,S.Koyama,S.Nakao,Y.Eada,and Y.Fujita, Magnetotelluric transect across the Niigata-Kobe Tectonic Zone, central Japan: A clear correlation between strain accumulation and resistivity structure,Geophysical Research Letters, vol.36,L20311,doi:10.1029/2009GL040016,2009.
地殻内流体の移動のモニタ−自然電位測定−
地殻内流体の移動を明らかにすることは地震・火山活動を予測する上で重要な手がかりとなります。地殻内を流体(水)が移動すると電場(流動電位)が発生すると予想されます。火山・地熱地帯における自然電位の分布は,地下の熱水流動の情報を与えてくれます。また,自然電位の連続観測は流動の変化に関する情報を与えてくれます。
また,積極的に地下に注水をおこなうことで水理パラメータ(透水係数など)の変化を検出することが可能です。1995年兵庫県南部地震の地震断層である野島断層で繰り返し注水実験をおこなうことで,断層の回復過程をモニターしています。
- Time evolution of hydraulic and electrokinetic parameters around the Nojima fault, Japan, estimated by an electrokinetic method,Tectonophysics, Volume 443, Issues 3-4, 15 October 2007, Pages 200-208.
地球電磁気学的な手法による断層調査
地表地震断層近傍において全磁力測定や比抵抗探査をおこなうことで断層の電磁気学的な特性を明らかにしています。断層破砕帯において全磁力が小さくなっていたり,低比抵抗になっている活断層があることがわかって来ています。これらの特徴は,断層活動度を反映している可能性があり,多くの活断層で調査を進めています。
地震に伴う電磁気現象−発光現象など−
地震の際あるいはその前後に発光現象を見たという記録が世界中で数多く残されています。しかし,科学的な分析に耐えられる記録がほとんどありません。写真に撮られているものは数例ありますが,それも科学的な分析を行おうとすると十分なものとは言えません。1995年の兵庫県南部地震の際にアンケート調査を実施し,発光現象が実際にあったと考えられることやその形態が様々であることを確認しています。
昭和の南海地震の際にも紀伊半島から四国にかけて数多くの目撃証言が残されています。それらの証言の中には,気象現象では説明できないような物も数多くあります。色,時刻,形など様々なものが報告されており,単一のメカニズムだけではないのかもしれません。いずれにしても,次の南海地震の際にも見られるかもしれません。これまでの証言を整理しておくことは何かの役にたつかもしれません。
重力・磁力測定と解析による四国地方の地殻構造の研究
重力・磁力データの解析による黒瀬川構造体の構造
四国の外帯は付加体と考えられています。秩父帯と四万十帯の間に黒瀬川構造体と呼ばれる地質体があります。この地質体の地下の広がりを調べるのに全磁力や重力データが有効です。黒瀬川構造体には多量の蛇紋岩が見られます。この蛇紋岩は磁性鉱物を伴っているために磁気異常を作ることが期待されます。実際に,蛇紋岩が分布する地域で比較的大きな全磁力異常が観測されています。
重力測定
月・惑星内部構造探査に関する研究
ペネトレータシステムの開発・検証
(独)宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本部では,地球物理学的な手法で惑星の内部構造を探るために使用する槍型をした探査装置(ペネトレーターと呼ぶ;地震計や熱流量計などを組み込む)を世界に先駆けて開発をしています。このペネトレータの開発に参加しています。
- R.Yamada, I.Yamadac, H.Shiraishia, S.Tanakaa, Y.Takagi, N.Kobayashie, N.Takeuchif, Y.Ishihara, H.Murakami, K. Yomogida, J.Koyamai, A.Fujimura and H. Mizutani,Capability of the penetrator seismometer system for lunar seismic event observation, Planetary and Space Science, Volume 57, Issue 7, June 2009, Pages 751-763 (doi:10.1016/j.pss.2008.12.004)
ペネトレータシステムを使った月内部構造探査計画
月の内部構造には未解決な部分がまだまだ残されています。とりわけコアは存在するのか,存在するとすればどれくらいの大きさなのかは,地球ー月系の進化を研究する上で重要な鍵となっています。Apollo計画による月震の存在の発見と,そのデータを使った解析などありますが,Apollo計画では月の表側の4箇所(実質3箇所)にのみ月震計を設置したために,コアを通過する地震波を観測することが出来ていないので,コアに関してはほとんど分かっていません。その他の観測から求めたコア・サイズも精度の点でまだ十分とは言えません。
この問題に決着をつける最良の方法の一つは,月面にペネトレータを投下して地震計のネットワークを構築して地震学的な手法でコア・サイズを見積もってやることです。私たちは,ペネトレータを月の裏側にも投下することで月のコアを通過する地震波を観測できるようにすることで精度の良いコア・サイズならびに深部マントル構造を探るための計画について検討しています。
- 地震学のニューフロンティアへの誘い―月・惑星内部構造探査― 日本地震学会ニュースレターVol.20 No.5 January 10, 2009
- 月に槍を打つ-fly me to the Moon Hello Scienceマガジン第9号 平成19年3月(高知大学理学部)
研究活動
- 2003/10-2010/03 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部 客員准教授
- 1998/04-2003/09 文部科学省 宇宙科学研究所 客員助教授
- 1994/04-1996/03 京都大学 防災研究所 講師(併任)